テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス) 

「黄内官」
 ユンは低い声で内官を呼んだ。
「はい」
 黄内官が近づく。
「都承旨(トスンジ)(王命の伝達を行う。承丞院(スンジヨンウォン)の長官)を呼べ」
「は? はい」
 黄内官は訝しげな顔になったものの、もちろん何も言わず、すぐに出ていった。
 ほどなく都承旨と黄内官が連れ立ってやってきた。
「殿下、お呼びでございますか?」
「今、ここで私が申すことは、逐一書き留めよ」
 黄内官が急ぎ支度を調えている。 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ