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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス) 

 ユンは深い息を吐いた。途方もない疲労感を憶えた。しかし、今は倒れているときではない。明姫を救えるのは国王である自分ただ一人なのだ。
 惚れた女一人が守れなくて、何が王だろう、笑わせる。たった一人の妻さえ守れない不甲斐ない男がこの国中の民を守れるはずがない。
 ユンは溜息をつきながら、小さく首を振った。

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