身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
「そのお言葉をもっと早くにお聞きしとうございました。淑媛とめぐり逢われた今、殿下のお心の内に私の入る場所はありません。私は曺昭容のようにはなりたくない。女は一度甘い夢を見て期待してしまえば、なかなか現実を知ることはできないものなのですよ、殿下」
王妃が去った後、部屋には残り香であろううか、得も言われぬかぐわしい香りが漂っていた。
もう少し早くに解り合いたかった。図らずも、今日、ユンも王妃も同じことを言った。そうだったのだろうか。もし仮に王妃ともっと早くに夫婦らしい夫婦になっていたとしたら、明姫に心惹かれることもなかったのか。
王妃が去った後、部屋には残り香であろううか、得も言われぬかぐわしい香りが漂っていた。
もう少し早くに解り合いたかった。図らずも、今日、ユンも王妃も同じことを言った。そうだったのだろうか。もし仮に王妃ともっと早くに夫婦らしい夫婦になっていたとしたら、明姫に心惹かれることもなかったのか。