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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再会

 彼が最後に見た明姫は、まだふっくらとした丸みの残る頬に少女のあどけなさを残していた。だが、今の彼女はどうだろう!
 整った目鼻立ちはそのままに、顔つき、身体つき、すべてがもう二年前の少女のものではなかった。十九歳というまさに花なら盛りの娘らしさ、成熟した女の色香をしっとりと漂わせている。
 このような山頂に追われながらも、彼の花は美しく開いたのだ。今すぐにでも姿を現して明姫を抱きしめてやりたい。そんな衝動に駆られたものの、ユンは懸命に堪えた。
 第一、二年前に彼女を宮殿から追放したのは他ならぬユン自身なのだ。すべての事情を慮ってのやむを得ない処置だったといえるものの、明姫が彼を恨んでいたとしても仕方ない。

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