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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再会

 今日のユンは浅黄色のパジチョゴリに鐔広の帽子を目深に被っている。顎紐のように垂れているのは、深い蒼瑪瑙を連ねたものだ。明らかに仕立ての良い衣服や自ずと備わった気品ある挙措はひとめで貴人だと判る。
 しかし、まさか宮殿の奥深くにいるはずの国王その人がこんな遠く離れた山寺にいるとは誰も想像がつくまい。大方は上流両班の若さまがやって来たくらいにしか思わない。

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