身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
「顔を、お顔を見せて下さい」
言い終わらない中に明姫の身体はくるりと回された。
「私の方こそ、よく顔を見せてくれ」
本堂の中に灯りは一切なかったが、満月のせいで十分な明るさがあった。ユンはそのなめらかな手触りを確かめるように明姫の頬を両手で包み込んだ。
「何とそなたは美しくなったのだろう。さては、しばらく逢わない間に、新しい恋人でもできたのか?」
この女に限って、そんなことはあり得ないと思いつつも、脳裏にあの慈鎮と呼ばれていた若い僧侶の顔が浮かんだ。
言い終わらない中に明姫の身体はくるりと回された。
「私の方こそ、よく顔を見せてくれ」
本堂の中に灯りは一切なかったが、満月のせいで十分な明るさがあった。ユンはそのなめらかな手触りを確かめるように明姫の頬を両手で包み込んだ。
「何とそなたは美しくなったのだろう。さては、しばらく逢わない間に、新しい恋人でもできたのか?」
この女に限って、そんなことはあり得ないと思いつつも、脳裏にあの慈鎮と呼ばれていた若い僧侶の顔が浮かんだ。