テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味

ありがとう。ヒャンダン。あなたにはまた苦労をかけてしまうけれど、あなたがいてくれたら本当は心強いし嬉しいの」
「勿体ないお言葉」
 またしても女二人の長い会話が始まりそうな気配に、維俊が慌てて割って入った。
「時に淑媛さま、私は今日の中に山を下り、都に戻らねばなりません。殿下に無事、女官どのを送り届けた旨をご報告します。その際、淑媛さまから殿下にお言付けがあれば承るように殿下から申しつかっております」
「判りました。今、房に戻って文(ふみ)を書いて参りますゆえ、今しばらくお待ち下さい」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ