身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
「それよりも、私こそあなたに訊きたいわ。ヒャンダンはどうやってここまで来たの?」
身分のある女人の移動は輿が基本ではあるが、都からここまで輿で来るとなれば、一日がかりになる。それに輿であれば、担ぎ手たちも必要になってくる。ユンがヒャンダンをここに寄越したのはあくまでも極秘だろうから、伴は信頼のおける黄内官だけにしたはず。
「馬で参りました」
「ヒャンダンは馬に乗れたの?」
少し愕くと、ヒャンダンは慌てて首を振る。
「いいえ、私は一人では馬には乗れません」
彼女の白い面がうっすらと染まっている。
「では、黄内官と?」
「はい」
消え入るような声には、いつものヒャンダンらしい闊達さはなりを潜めていた。
身分のある女人の移動は輿が基本ではあるが、都からここまで輿で来るとなれば、一日がかりになる。それに輿であれば、担ぎ手たちも必要になってくる。ユンがヒャンダンをここに寄越したのはあくまでも極秘だろうから、伴は信頼のおける黄内官だけにしたはず。
「馬で参りました」
「ヒャンダンは馬に乗れたの?」
少し愕くと、ヒャンダンは慌てて首を振る。
「いいえ、私は一人では馬には乗れません」
彼女の白い面がうっすらと染まっている。
「では、黄内官と?」
「はい」
消え入るような声には、いつものヒャンダンらしい闊達さはなりを潜めていた。