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妖艶怪

第5章 第5章


ふとカーブミラーに映った
自分の顔を見た。

赤黒い瞳。
目の下は真っ黒で
バサバサしたまつげの固まりが
目の周りをかこむ。
口は頬の一番高いとこまで開き
唇と歯は血で染まっている。
肌はうっすらと青く
人間とは到底思えなかった。

そして鏡の中の自分は
ニヤリと笑った。
底知れぬ満足感があった。


「なにやってんの。帰ろ」

マリヤに言われて
妖界に帰った。

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