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妖艶怪

第12章 第十二章



とにかく俺は冷静になろうと
必死で自分を抑えた。

ホントは
今すぐその卵を投げつぶし、
レイを思う存分抱いてから
式場へ連れていきたかった。


だが前回怒りと欲求に
身を任せて取り逃がした。

俺だって
馬鹿じゃねんだよ。


とっ、とりあえず中入れ。

黙って部屋に入るレイ。

ソファーに座り、
大事そうに優しく、
卵を隣に置いた。
卵は…すごく美しかった。

俺はイライラを
全力で留めながら
ソファーに座った。


「アタシ…あなたと結婚する」

レイはうつむいたまま言った。
素直に嬉しかった。
レイが…ようやく俺のモノに!

「ただ!」

ただ?

「この子も一緒に」

優しく卵をさする。
母親の眼差しで卵を見ながら。


怒りが込み上げる。
デビルフィッシャー族の俺に
知らないカス野郎の子どもを
育てろって言ってんのか?!
だが俺はどうにか抑えた。


誰の子どもなんだよ?!

「それは…言えない」

言えないってなんだよ?!
親にはなんて言うんだ??!

「土下座して頼む。
オクターお願い。
アタシこの子だけは
捨てられない」

俺の子どもは殺せるのに?

「……そのことは
本当にごめんなさい。
でもこれからは
あなたの妻としか
しっかりするから。
お願いします、オクター!」

そう言って土下座する。
俺だって好きな女に
こんなことされて
気持ちよくは思わない。


わかった…

「ホント?!ありがとう!」

今まで俺に見せたことのない
まぶしい笑顔で言った。
俺はむしゃくしゃを
性欲でぶつけることにした。

レイを引き寄せ
激しいキスをする。

今までのような
小さな抵抗はない。

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