テキストサイズ

妖艶怪

第15章 第15章


頭を上げると
雪男?!!!

もじゃもじゃの毛で
覆われた顔。
俺の口をぶっとい指で塞ぎ、
しーっとジェスチャーする。

レイの両親とタコ男が
チラっと雪男を見た!
だが話に戻る。
おいっ!!!!

雪男は俺を掴んだまま
歩き出した。


「お前…人間だろ…」

洞窟を通り抜ける風みたいな
ごぉっとした低い声。

俺は雪男の指を
出来る限りの力で叩いた。

「あぁ……悪い悪い」

すると口というか頭を
掴んでいた指が離れる。


離してくれ!
俺はレイの両親と来たんだ!

すると俺を顔の前まで
持ち上げる。

「…レーナさんとミラさんか??」

あぁ。

「そうか」

するとゆっくりと俺を
下に降ろした。

俺は一生懸命
そいつの目を探した。
毛に覆われてて…
わからない。

後ろから俺を呼ぶ声がした。

「ユーヤくーん!」

気づくと俺の後ろにいる。

「どこに…あら三郎さん」

お母さんが言うと
なんとそいつは笑った!w
しかも三郎っていうのかw

「こいつが一人でいたんで
…すんません、連れてきました」

申し訳なさそうにうつむく。
優しいんだな…

「大丈夫よ。
ありがとうね」

黙って頷くと
三郎さんは去ってった。

「ユーヤくん、
一回目をつむってくれ」

お父さんに言われ、
黙って目をつむる。

一瞬の沈黙。

「いいぞ」

目を開けると
さっきとは違う場所。
目の前には
黒い洋風な家。

「アタシたちの家よ。
とりあえず中に入って」

「レイは今くる」

二人にせかされ、
俺は家に入った。

キレイだけど
変わった雰囲気の漂う
家だった。

ソファに
座るよう言われ座る。
緊張すんな…

「さっきは
バレなかったわね~
ユーヤくん
完璧に気配消えてたもの」

お母さんが
楽しそうに話す。
姿は見えないのに
すぐそこにいる感覚。

「普通の妖怪でも
あんなに消すのは無理だ」

お父さんの声が
いきなり後ろからして
ビビって後ろを見ると
冷静な顔で立っていた。

「デビルフィッシャー族が
気づかなかったなんて…」

デビルフィッシャー族??

「レイが帰ってきた」

お父さんが言った瞬間に
ドアが開く音がして
レイが俺の前にいた。

「どうして」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ