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妖艶怪

第15章 第15章

牛だろうと豚だろうと
愛したもんは仕方ないだろ。

つぶやくみたいに言った。

レイはあいつと結婚して
幸せなのかよ?
あいつを愛してんのかよ?

「愛すの。
そう決意して
人間界から帰ってきたの!」

レイは涙を流しながら
俺をギロリと睨んだ。
拳が震えている。

俺はたまらず抱きしめた。
レイは抵抗しない。


俺…本気で
お前いないと生きていけない
生きてる意味が無い。

泣き声が部屋に響く。

「離してぇ…」

とか言いながら
そのまま動かない。
こんなに可愛いレイを
あいつになんかやらない。


俺、妖怪になる。

するとレイが
顔を上げパッと離れる。

「本気で言ってんの?」

本気じゃなかったら
言わない。

「人間を食べるんだよ?」

わかってる。

「ユーヤはやっぱり
人間の女の子と
幸せになるべきだよ」

いい加減にしないと
侵すぞ。

「侵せばいーぢゃんっ
アタシさっきまで
オクターと…」

「レイ!!!!」

お母さんの声が響く。

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