
ヴァンパイアの誘惑<短編集>
第1章 俺様ヴァンパイアの誘惑
「気持ち良くしてやるから、力抜いてろ…」
私の耳元でそう言うと黒木くんは私の首に牙を立てた。
「ぁっ…ん…」
首に小さな痛みを感じた後、すぐに大きな快感が襲う。
私は両手を黒木くんの大きな背中に回した。
「はぁ…はぁ…」
黒木くんと私の吐息が交ざりあって誰もいない教室に響く。
血を吸われているときって頭がくらくらして気持ちいい…。
血を吸われるたびに思うこと。
でも、それは私の場合『黒木くん』だから
大好きな黒木くんに自分の血を吸ってもらっているなんてすごく嬉しくて、今も顔がニヤけてしまう。
