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わすれない

第1章 出会い

俺はいつの間にか女の子の近くにまで来ていた。


彼女はどことなく悲しそうな、淋しそうな顔をして海を見つめていた。


「君、学校は…?」


気づけば言葉をかけていた。

彼女は一瞬ビクッとしたが、何も言わず黙り込んでいた。

なんとなく顔色が悪く感じたが、なんでもないと言って去っていった彼女を俺はただぼーっと突っ立って見ていた。



――まぁ、普通はそうだよな。



突然話しかけられて、にこやかに応じるやつは普通はいない、そうこじつけて車に戻った。


車に乗り込もうとして、もう一度見る。


女の子は、、、




補導員に捕まっていた。



俺はなんで彼女が気になって仕方ないんだろう。


頭のなかで考えていた事と体は別の動きをしていた。


気づいた時には、俺は彼女をかばい、補導員に必死に説明していた。


―――この俺が女のために動いているとは…。


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