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────美咲が、妊娠？



医師が診察に駆けつけたと同時に病室をでた。
あの女は間違いなくあの男の母親だろう。母親は妊娠をしていると勘違いしていたようだった。だとすると、あの男は母親に美咲との経緯をはなしていることになる。



「……妊娠って、あの男の目的はなんなんだ。」



ぶつぶつと独り言を呟いていたら後ろから声をかけられた。



「お久しぶりですね。まだ、彼女にまとわりついているんですか？」




その声の主はいま一番美咲に会わせたくないやつだった。



「嘉山弦さんですか。美咲は俺にいてほしいんですよ。しかし、こんな時間に何ですか？美咲は寝てますよ？」



「クスｯ。そんなに警戒されなくても、今日は楓さんに会いに来たわけではありませんよ。」





そういうと近くに歩いてきて耳元で「まぁ、すぐ一緒に帰りますけどね♪」とニヤツキながらいってきた。




「退院後は俺と暮らすことを望んでいますからあなたとは今後一切会わせませんけど……。」



俺は、睨み付けながらいい放った。こいつに美咲をわたしたくねぇ。そう思った。