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わすれない

第1章 出会い

「…とりあえず今は病院で手当てしてもらおう。俺がついてるから心配しなくていい。」


圭介は支えていた私をもう一度寝かし、救急隊員にお願いしますと言って隣に座った。


救急隊員から市内の病院に向かうと言われ、私もお願いしますと頭を下げた。




圭介はなにも言わず私の手をしっかりと握り、頭を撫でていた。




ほどなくして動き出した救急車の揺れに瞼が重くなり、目を閉じた。



圭介と隊員の会話が途切れ途切れだけど聞こえた。
保護者の方はいるか、連絡先をどうするか。警察官があとから来るからとか…。



――家に連絡しなきゃいけないのかな…。いやだなぁ…。




そんなことを考えながらいつのまにか眠ってしまった。


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