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わすれない

第2章 それぞれの傷

私はきっと青ざめた顔をしていたと思う。



そんな私の気持ちとは裏腹にその人物は圭介を無視してだんだんと私に近づいてきた…。



「ちょっ! おいっ!」


圭介がそいつの腕をつかみ自分の方へと向かせた。


その人物は、深いため息をつくとやっと口を開いた。


「楓さん。この方が、あなたを助けてくれたという方ですか?」



圭介を上から下まで、まるで値踏みするような感じで見ていた。


私はなにも言えず、ただ 言葉を発したその人物を見ていた。



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