テキストサイズ

わすれない

第2章 それぞれの傷

圭介の突然の言葉に喉をつまらせそうになった。

「ウッ……ゴホッ…!な、なに?いきなり。」


胸を叩きながら圭介に聞き返す。圭介は箸を口によこしながらさらに聞いてきた。



「お前とあの男、なんかあったんだろ?……あの男というより、お世話になってる一家と。といったほうがいいか?」




――圭介はなにか知ってるんだろうか?
口をモグモグさせながらジッと圭介の顔を見つめる。

でも、圭介の真意はわからなかった。


「………なにもない。とは言えない…。でも、話したくない。それに、おじ様はとても優しくしてくれてる。とっても……。」


「じゃあ、おじ様以外はひでーんだな。」




「そ、そんなこと言ってないっ!!!だいたいなんなの!?こんなこと聞いてなにんなんのよっ!わけわかんないっ!」

――圭介が何を知りたいのか、全然わからないっ!自分の事は何一つおしえないくせに!


ムカついて布団をつかみ、またもぐった。


圭介はなんかいって、布団を剥がそうとしてたけど、腕痛い!と叫ぶと何もしなくなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ