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わすれない

第2章 それぞれの傷

「大丈夫?いったいなにがあったの?」



「片山さん、、、あたしもよくわからないんです。妊娠がどうとか言われて……。」



妊娠 という言葉に圭介の手に力がはいった。



「妊娠……?誰が?」



「わ、私が……って言われました。そんなはずないのに。」




片山さんは検査でも妊娠の兆候はなかったし……と首をかしげていた。



担当医が入ってくると診察が始まった。圭介は考えるように部屋をでていってしまった。



「うん、大丈夫だね。まだ痛みが残るかもしれないけど骨はキレイにくっついてるよ。」



「ありがとうございます。」



「もう少しで退院できるからね?頑張るんだよ。」




診察がすむと、みんな部屋からいなくなってしまった。




────嘉山の奥様……もしかしてしってるの、、、?




弦さんとあたしの関係をしっているのか、、、だとしたら嘉山のおじ様も…。


どこまでしられているのか、、、。


あの日を境に変わってしまった私の人生。これからどうなるか、不安で仕方がなかった。

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