異能者の望むもの
第2章 転生と異能と秩序
Side作者
異能とはその世界の存在と異なる力を保持している者のことである。つまり、その世界には存在しない力。
そして、転生とは本来不可能な力のことである。つまり、この世には存在しない力。
この二つは交わることはない。いや、交われない力なのだ。
何故なら転生という力は存在しないのだから……。
このような二つの力を受け入れ、なおかつ扱うとは不可能なことだった。それがただの『者』ならなおさらだ。全てを作り出した神でさえこの異形を達成出来なかったのだから。
だが、ひとりだけ達成した『者』がいた。神でも、神に近い者でもなく神に創られ、神に決められた道を進むだけの存在、ただの存在する『者』。
その時の彼はまだ、青年ではなく少年だった。
少年は神を恨んだ。そして自分自身を憎んだ。なにも出来なかった自分自身を……。浅薄だった自分自身を……。だから少年は求めた。能力(ちから)を……。
そしてその時、少年の思いがこの世界には存在しない力を呼び出し、この世には存在しない力を創り出してしまった。
だからこそ少年は死なない。いや、死ねない。だからこそ、少年は生き続ける。自らの能力を受け入れ、自らが想うことを成すために……。
そのせいで、この世の秩序を壊すことになったとしても……この世が滅んでも……。少年は……彼は……人生を止めることは無いだろう。彼が成すことを成すまで……。
異能とはその世界の存在と異なる力を保持している者のことである。つまり、その世界には存在しない力。
そして、転生とは本来不可能な力のことである。つまり、この世には存在しない力。
この二つは交わることはない。いや、交われない力なのだ。
何故なら転生という力は存在しないのだから……。
このような二つの力を受け入れ、なおかつ扱うとは不可能なことだった。それがただの『者』ならなおさらだ。全てを作り出した神でさえこの異形を達成出来なかったのだから。
だが、ひとりだけ達成した『者』がいた。神でも、神に近い者でもなく神に創られ、神に決められた道を進むだけの存在、ただの存在する『者』。
その時の彼はまだ、青年ではなく少年だった。
少年は神を恨んだ。そして自分自身を憎んだ。なにも出来なかった自分自身を……。浅薄だった自分自身を……。だから少年は求めた。能力(ちから)を……。
そしてその時、少年の思いがこの世界には存在しない力を呼び出し、この世には存在しない力を創り出してしまった。
だからこそ少年は死なない。いや、死ねない。だからこそ、少年は生き続ける。自らの能力を受け入れ、自らが想うことを成すために……。
そのせいで、この世の秩序を壊すことになったとしても……この世が滅んでも……。少年は……彼は……人生を止めることは無いだろう。彼が成すことを成すまで……。