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異能者の望むもの

第4章 平穏な学園生活

Side作者


「ねぇねぇ。漆君ってどこから来たの?」

「こんな時期なんて珍しいよね。どうして?」

「ねぇねぇ。………――――」

ホームルームが終わった後のFクラスは一人の男子を囲み、次々に自分達が知りたい事柄を述べていた。

「最悪だ……」そう内心呟いたのは言うまでもなく境夜である。

「あ、あの……。質問が多すぎて…何から答えればよろしいのか……」

そう、境夜の言う通りクラスメイトは質問を一斉にしていた。さすがに、真面目に聞いていない境夜には全部の答えを返していくのは無謀と言うもの。

せめてちゃんと聞いていれば答えられたものの、あいにく聞くきがない境夜にはそんな神業はできなかった。

「あっ。ごめんね。じゃあみんな、一人ずつ質問していこうぜ! 順番は公平にじゃんけんで決めよう! おっと、いい忘れてた。俺の名前は日向要ね! これからよろしく。こう見えても俺、クラス委員長だから!」

そうたからかに堂々と言いはなったのは、我らがクラス委員長の“日向要”だった。

「そっ、そうですか。ありがとうございます。皆さんもすいません」

「えっ!? なんで漆君があやまんのさ~。僕達が悪いんだし全然大丈夫だよ。てか、僕こそごめんね? 困ってること気付いてあげられなくて……」

「いえいえ。そんなの大丈夫ですよ。じゃあおあいこですね」

そう言いながら境夜はニコりと作られた模範的な微笑をむけるのだった。

作られた模範的な微笑と言っても、元の顔がいいだけに、男女関係なく誰が見ても振り返り頬を赤く染めるだろうほどの魅力、美しさがあったのだが……。

もちろん、この瞬間に境夜を好きになった者は男女関係なく数多くいたと言う。

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