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異能者の望むもの

第5章 生徒会

「ところでさぁ、生徒会の人達が境夜のことをなんか探してたみたいなんだよね…。なんかしちゃった?」

突然大声とまではいかないが、クラスのみんなが静かにしていれば聞こえてしまうような声量で、そんなことを言い出すクラスメイトの男子。

だが、当然目立たないように眼鏡をかけて生活し、なおかつ気配までも軽く消している境夜には心当たりがないこと。しかも境夜はまだ転校してきたばっかだ。全くもって生徒会の人達に探される意味がわからない。

「いえ、全く心当たりがないのですが……転校してきたばかりですし…」

「そうだよねぇ」

「ん? お前ら知らねぇの?」

考え込んでしまっていた男子。代わりに反応を示したのは情報通で知られている要だった。

「そんなの、転校生を視察するために決まってんじゃん」

「なるほど!」

「? ……決まってるんですか?」

その一言で納得した男子生徒と、今一納得できなかった境夜。

「ああ。まあ生徒会は暇人だからな。あと、おまえは顔がいいから」

そう応答するのは要。

「そう…ですか?」

「ああ。男の俺から見てもめっちゃ美形だと思うよ。それに眼鏡外したらやばいと思う」

「そうですか? 自分ではそうは思わないんですけど」

情報などを数多く持っている境夜であるが、情報を数多く持っている反面自分のことにはとことん疎い境夜であった。

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