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いつまでも

第3章 気持ちの変化

俺は、どうしても声が聞きたくて、思い切って電話した。

『もしもし?』

「あっ、俺、櫻井翔」

『どうも!私も電話しようと思ってたんです』

「よかった」

俺は、聞きたいことがたくさんあったから、色々聞いてみた。

彼女は嬉しそうに、何でも答えてくれた。

すきな食べ物は甘いもの、趣味は編み物、誕生日は6月21日、年は23歳。

あと、申し訳なさそうに、嵐については詳しくないと言っていた。

6月かあ…
あと少しだな

「普段は何してるの?」

『この前会った場所の近くに、盲目の人を雇ってくれる会社があって、そこで働いてます』

「休みはいつ?」

『毎週日曜日です』

「そっか、分かった。ありがとね!じゃあまた」

『はい、また』


いま電話を切ったばかりなのに、また声が聞きたくなる。

会いたくなる。

これが『人をすきになる』ってことなんだ…

この年で恥ずかしいけど、やっと分かった。

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