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女の失恋、男の後悔。

第9章 零緒Side2

そういえば桜も。
俺の前では最後まで泣かなかった
泣きそうな、悲しそうな
傷ついた顔はしても決して泣かなかった

桜は滅多に自分の弱い部分を見せなかった
そんな強がりなくせに実は弱い部分も好きだった。
人一倍頑張ろうとしていたところも

優しいところも


涙もろいところも


オンオフの切り替えがしっかりできるところも


悪いことは悪いと
例え相手が上司だろうと女だろうと男だろうと年下だろうと同い年だろうと年上だろうと
関係なくハッキリいい注意するところも


時に厳しいところも


周りを大切にするところも




全部が好きだった。


なのにどうして


どうしてあの頃に
付き合っていた頃にもっと大切にできなかったんだろう


そう後悔しながら家に帰った。


次の日から仕事だったが仕事をしている時意外はずっと桜のことを考えていた



そしてやっと自分の素直な気持ちに気づけた


俺はまだきっと桜が好きなのかもしれない
今でも大切だけど


本当に一番好きなのは
一番大切なのは
今の俺に必要なのは


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