お金の関係
第13章 自分で
詩織「それに…それに好きな人に勘違い
されたら悲しいじゃないですか…」
充「…」
詩織「だから…」
充「そうだよな、だいたい俺達が本気で
付き合うなんてありえないよな」
詩織「…そうですよ」
詩織の返答に
ショックを受けていない様子から
その場のノリ、勢いで言っただけのよう
だった
そんな充の様子にホッとしながらも
詩織は軽くショックを
受けていた
詩織「…そうだよ…ありえないよ」
充には好きな人
今も忘れられない初恋の人がいる
その事は知っていたし自分の立場も十分
理解してるつもりだった
でも…
もしかしたら
充も自分と同じ気持ちかもしれない
勝手な思い込み、半分は自分の願望だっ
たが
その微かな可能性も充の最後の一言で
無残にも崩れ落ちて
しまったのだ
詩織「…」
充「まあでも…色々面倒だから表向きは
付き合ってるって事で」
詩織「…うん」