お金の関係
第4章 学校
詩織「あれ…」
和也「どうした?」
詩織「及川君、シャーペンの芯が見つか
らなくて」
和也「俺のあげるよ、あと和也でいいよ
俺も詩織って呼ばせてもらうからさ」
詩織「あぁ…うん…じゃあ」
授業中
芯がなくて困っていた詩織に気づき
笑顔で助けてくれた和也
いつも笑顔で
優しい和也
充も優しかったが
表情だけは全く正反対だった
詩織「…」
和也「詩織、どこ行くの?」
詩織「えっと…そのトイレに…」
和也「あぁごめんごめん、気にしないで
行って」
詩織「…」
放課中
トイレに立った詩織
まだ女子の友達は一人もおらず
さすがに
男子の和也に女子トイレまで案内をして
もらうワケにいかず
詩織は一人
頑張ってトイレを探す事に
詩織「あれっ、ここは…あれっ?」
広い校舎の中
たくさんの教室が並ぶだけで
歩けども歩けども目的のトイレを見つけ
る事は
出来なかった
詩織「やっぱり誰かに聞い…」
女子「ねえ、どうして休んでたの?」
詩織「?」
女子「充、聞いてる?」
充「聞いてるよ」
詩織「…」