お金の関係
第8章 痛いだけ
詩織「…」
和也「詩織?」
詩織「あっ、和也君…」
充を探していると
充を見つけるより先に和也に見つかって
しまった
故意に避けていたワケではないが
こうして話しをするのは
久しぶりだった
和也「どうした?」
詩織「充さっ…じゃなくて…九条君って
どこにいるか知ってる?」
和也「九条なら体育の時はいつも見学で
図書室にいるよ」
詩織「そうなんだ」
和也「もしかして詩織…九条の事」
詩織「そっ…そんなワケないじゃん!!
ただ姿が見えないからどうしたのかなっ
て…」
和也「…そっか」
詩織「うん」
適当な理由をつけ
上手く誤魔化したつもりだったが
これ以上、口を滑らせてボロを出す前に
和也から離れようとした
その時…
詩織「…じゃあ…私は…」
和也「危ないっ!!」
詩織「えっ」
一瞬の事で
一体何が起こったのか
すぐに理解する事は出来なかったが
ただ頭に酷い痛みを感じ、次の瞬間には
意識を失い、その場に力無く
倒れてしまった