お金の関係
第10章 入院
充「あ~ん」
詩織「…」
充「食べてほしいんだろう?ほらっ」
詩織「…はい」
充「あ~ん、うん、まあまあだな」
詩織「まあまあ…」
手を怪我をしているワケではないのに
詩織は言われるまま毎日
充に食べさせていた
しかし
お抱えシェフの料理で
舌が肥えている充には詩織の作る料理は
美味しくもなく、まずくもない
普通にしか感じられない
ようだった
詩織「充さん、今日の授業では…」
充「詩織」
詩織「はい」
充「あいつ…及川とは最近どうだ」
詩織「どうって…必要以上話してないし
向こうも話しかけてきませんけど」
充「何か聞かれたりしなかったか?」
詩織「いえ、特には」
充「…そうか」
詩織「…」
あの日
その場の勢いで
詩織との関係を話してしまった充
和也に話した事
後悔はしていないが
話した事で詩織に危害が加えられないか
充はそれを心配していた
充「…」
詩織「あぁもうこんな時間だ、そろそろ
帰らないと…」
充「詩織」
詩織「はいっ」
充「今日は泊まっていけ」
詩織「えっ…」