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齟齬

第8章 8


僕の代わりに

大学へ行く彼女は

ここでは

何を飲んでも僕もちだ。


「就活してる?

 みんな必死に内定探してるよ。」


「そっか…」


「ずっとバーテンダーって

 わけにいかないよね。」


「…いいよ。バーテンダー。」


僕の正直な気持ちだ。


細やかな気泡が

静かに浮かんでは消える。

グラスに

暫く目を落し

意を決したように

僕を見据えた。


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