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クリスマスに奇跡を

第3章 Happy New Year

物静かで奥手に見える悟の行動とは思えない。
これが酒の力だとしても信じられない。
それが"僕と・・・したくない?"などと言う。
夢としか言いようがない。


半信半疑の俺にのそりのそりと這うように近づく悟の頬は赤らみ、瞳は潤んでいる。
ごきゅと喉の奥が鳴る。
「さ・・・とる」
俺は恐る恐る悟に手を伸ばした。
温かな体温が夢でないと物語っていた。


「本当に・・・いいのか?」
ベッドに移動した俺の腕の中で心なしか悟の身体が震えている。
「伸となら・・・」
小さく呟く悟の浮いた瞳は左右に揺れ、それでいて強い光を放っている。
そう、それはまるで捕って喰われるのを覚悟した小動物のように・・・。


あぁ、そうか。
悟は覚悟を決めてこの部屋に来たのか。
何故そわそわと落ち付かない雰囲気だったのか、俺はようやく理解することができた。
本当は酒には弱いのかも知れない。
それなのに無理して酒を煽って・・・許される筈の無い俺に、悟は自分を捧げようとしてくれている。
こんな俺の為に・・・。


見上げた悟の瞼が伏せられる。
俺は震える悟の髪を梳かし、ゆっくりと顔を近付け、不躾なまでに唇を押しつけた。
「・・・んっ」
吐息が乱れ、互いの唾液の絡まる音が淫らに響く。


入院生活により、思っていた以上に痩せていた悟の細身のラインが肌蹴た上衣から見える。
日焼けの知らない白い肌に熟れる事を知らない突起。
何もかもめちゃくちゃにしてしまいたい程に俺は興奮した。


「悟…無理なら言えよ」
そう伝え、軽く突起を指の腹で転がすと悟の口からは高い声が飛び出す。
女を抱いた事も無い不器用な愛撫でも感じてくれているのかと嬉しくなる。


「あっ・・・っ、の・・・ぶ」
下半身で隆起した先端を握り込めば、ぬらぬらと熱い蜜を垂れ流す。
白い肌もしっとりと濡れ、淡く染まる。
見惚れるほど透明感があって綺麗だった。










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