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Sky Blue

第3章 出逢い

―――――面倒なことになった。

長尾に絡まれたことより、泉にとってはこの上なく厄介なことだ。

この制服について母に詰問されるだろう。あの人達はオレの成績しか興味がないくせに、こういった事には敏感に反応する。本当のことを話せば、予備校に電話なんて簡単にするだろう……その内容も容易に想像がつく。


“うちの子の勉強の邪魔しないで”


決して身を案じた内容でないことは確かだ。

そんなことで電話連絡されるなんて……それだけは絶対に避けたい。

家に帰り制服を自分で洗おうにも、絶対怪しまれてしまう。そんなことやらなくていいから、勉強して。それが母の口癖だ。自分の汚れ物を洗おうとするだけでそう言うのだ。
ボタンを付けようにも裁縫道具から探さなければ……確か以前小学校の授業で使っていたものがある筈だ。

良い回避作はないかと真剣に考え始めた。







「……うち来る?」

え………?


「何もないけど…シャワーくらいなら貸してあげられるから……」

「や、でも…」
「オレ一人暮らしだから気ぃ遣わなくていいし……」

「だけど、さっきの人はいいのか……?次の駅で引き返すんだろ……」
「いーって別に、アイツにはまた明日言っとくから。




………なぁ、来いよ。」


願ってもない申し出に、驚きと共に感謝すら覚えた。







こんなこともう二度とないだろうな―――…


誰かを頼るなんて、絶対に有り得なかった。



なのにどうしてだろう…………


真剣な眼をして、泉を見つめるその少年に……


逆らえない自分がいたことも確かだった――――――――。





――― A continues to the following chapter.

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