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Sky Blue

第2章 帷



「またアイツかよ。」
「ってかアイツ以外にいないだろ。」
「満点だぜ?信じらんねぇ」

職員室前に張り出されたテストの結果。この学校は都内一の名門校だ。そのせいだろうか中間、期末の他に実力など何かにつけてテストが行われる。小テストなんて毎日ようにあると言っても決して過言ではないだろう。他校と比べてもテストの回数は倍以上。とにかく勉強第一の学校なのだ。上の大学を目指す者なら誰もが憧れる、青南高校。しかしやっとの思いで入れたとしても授業に付いてくことができず辞めてしまう生徒も後を断たない……。

「カンニングしてんじゃねーの?」
「ギャハハ、じゃなきゃロボットかなんかだな」
「言えてるわ。いっつも無表情で何考えてるか判んねーし」
「……そこがいいのかねぇ女どもは。」
「オレの方がよっぽど良い男だと思わねー?」
「うゎ~鏡見て出直して来いよっ!!」
「ひっでぇ」

楽しそうな笑い声が廊下に響く。職員室の前を通らなければ、げた箱へは行けない。もしくは、もう一度2階へ上がり反対側から降りてくるかだ。
「はぁ…」
面倒くさいな、タイミングの悪さに自然とため息が零れ落ちる。だが不思議と自分のことを悪く言われているにも関わらず、ムカつくとか悲しいなんていう感情が湧くことはない。まるで第三者を見ているかのような、そんな感覚。言いたいように言わせておけばいい。なんて格好の良いものでもない。どうでもいいのだ。自分のことだというのに…心が動かない。

「ホーント、何者なんだろうな…“九条 泉”」


………そんなことオレが一番聞きたい。


背中を壁に預け、何かを諦めたように、そっと目を閉じた。

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