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運命に導かれて

第5章 愛の行方

「ミアキス!」


ディアナが声をあげた。


その付き人は、ミアキスだった。

ミアキスは隣国に逃れ、職を得るために城に行き、運よく王の付き人となったのだ。


執事長が顔色をかえた。


「わたしは、彼女の隣の家に住んでいました。彼女が保護された時のことを覚えています。確かに、その布を身につけていました。頭にまいていたとま思います。どこかのお姫様じゃないかと思ったのですが、お姫様がこんな所にいるわけがないって大人が言いました」


「ああ………ティアラ………!」

隣国の王妃が、ふらつく足取りでディアナに歩み寄った。

よく見ると、王妃とディアナはそっくりだった…………

目の色に髪の色も。


ディアナは、この女性になぜ見覚えがあるような懐かしい気がしたのか、わかったような気がした。

この女性が、本当の母親だったのだ。

城での暮らしにすぐ馴染んだのも、生まれてから3年、城で暮らしたからだった。

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