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いろんな…H

第6章 幼なじみ



そんなこと考えてたら

颯ちゃんのケータイが鳴った


誰かはなんとなく分かってる

颯ちゃんは気軽に番号を教えたりしないから


"ピッ"


「もしもし…」


私を気にした様子もなく
颯ちゃんが電話に出た



電話の向こうから

女の人の声が漏れてくる



「はい…フッ…聞こえてますよ…先輩」


颯ちゃんが微笑んで

電話の声に応えた



"ズキッ…!"


胸に痛みが走る


(そんな顔…しないで…お願い)





でも...そんなこと言えるはずもなく

私はまた...笑顔を作る

「颯ちゃん…帰るね…」


逃げても…何にもならないって

分かってる


でも


怖いの

これ以上
私以外に話しかけるのも
私以外に微笑むのも見たくない


そして


私は…颯ちゃんの部屋から

逃げ出した








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