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赤い花~情欲の檻の中で~

第2章 MemoriesI

「いやあね。お局なんて言い方は止めてよ。誰だって、好んで歳を取るわけじゃないのよ。それに、安浦さんは間違っても、お局なんて柄じゃないでしょ。姉御肌の面倒見の良い人だって社内でも有名だもの。後輩いびりとは無縁の人に、お局だなんて失礼だわ」
 祥吾は眼を丸くした。
「意外だな。美華子は安浦部長のこと、前はあんまり良く言ってなかっただろ。何を考えてるか判らないし、底が知れなくて苦手だとか何とか」
 美華子は小さく咳払いした。
「別に、ただ少し気後れするってだけで、嫌いとか、そういうんじゃないの。祥吾さんも人を立場とかだけで決めつけるのは止めた方が良いよ」

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