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赤い花~情欲の檻の中で~

第3章 MemoriesⅡ

 三年前、祥吾に初めて抱かれた時、美華子は殆ど男性経験がなかった。もちろんバージンというわけではなかったけれど、短大時代に付き合った恋人と二度ほど経験しただけだ。
 男性経験のない美華子にも、祥吾が女の扱いに慣れているのは薄々判った。更に、この三年で美華子は数え切れないほど彼に抱かれ、彼は美華子自身よりも彼女の身体―例えば、どの部分が敏感で、どのように責め立てられれば感じるかを知り尽くしている。
 その点は用心深い祥吾はセックスのときはいつもコンドームをつけているが、時には何もしないで奔放に交わるときもあった。そんなときは大抵、美華子の生理が近いだとか、妊娠の可能性がないときに限られてはいた。

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