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赤い花~情欲の檻の中で~

第3章 MemoriesⅡ

 それでも、この三年で妊娠しなかったのは殆ど奇蹟だというほど、美華子は祥吾と身体を重ねた。
 今日の祥吾はいつもにも増して烈しく美華子を求めた。ホテルに入るなり、いきなりベッドに押し倒され、殆どレイプも同然に身体を奪われた。それから既に二時間、美華子は何度も達している。にも拘わらず、祥吾はまだ飽きることなく美華子を組み敷いた。
 その荒々しい抱き方は欲望を満たすため、いや、欲望すら感じさせない、まるで彼の中で荒れ狂う激情や苛立ちを美華子の身体にぶつけるような感じだ。正直、あまり愛情のこもった行為とはいえなかった。

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