
赤い花~情欲の檻の中で~
第3章 MemoriesⅡ
動揺を隠し切れていない祥吾が見ていられず、美華子は立ち上がった。
「ちょっと化粧室に行ってくるわね」
トイレと化粧室は一体になっている。トイレを済ませた後、美華子は大きな洗面台の前に立っていた。大きなドレッサー風の鏡に座り心地の良い椅子が置いてある。
鏡の中には、どこか顔色の思わしくない疲れた表情の女がいた。二十八歳、若いともいえるし、若くないともいえる微妙な年齢。同期で入社した女子社員の三分の一以上は既に結婚退職している。中には結婚しても今までのように仕事を続けている同僚もいた。
「ちょっと化粧室に行ってくるわね」
トイレと化粧室は一体になっている。トイレを済ませた後、美華子は大きな洗面台の前に立っていた。大きなドレッサー風の鏡に座り心地の良い椅子が置いてある。
鏡の中には、どこか顔色の思わしくない疲れた表情の女がいた。二十八歳、若いともいえるし、若くないともいえる微妙な年齢。同期で入社した女子社員の三分の一以上は既に結婚退職している。中には結婚しても今までのように仕事を続けている同僚もいた。
