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赤い花~情欲の檻の中で~

第3章 MemoriesⅡ

 では、仮に彼が選ばれなかったら? それでも、まだ今の関係を続けるつもりなのか。もしアメリカに行かなくなったとしても、彼はやはり、美華子を生涯の伴侶として選ぶことはないだろう。自分はこんな卑劣で自分勝手な男の都合の良い女として弄ばれ続けて、それで終わりになる。
 祥吾は自分が思い描く理想の結婚相手に巡り会えば、あっさりと美華子を見限るに決まっている。そこまで判っていながら、自分はまだ、あんな男に未練を抱くのか。

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