テキストサイズ

赤い花~情欲の檻の中で~

第3章 MemoriesⅡ

 つまり、そこまでして祥吾は美華子を追い払いたいのだ。
「約束って? さっきまで、あなたはそんなこと全然言っていなかったのに」
 愚かだとは判っていた。祥吾は明らかに美華子と今夜は別れたがっている。なのに、無理して傍にいたって、意味はない。むしろ、余計に疎ましがられるだけだろう。
 祥吾が意味もなく、ネクタイを引っ張った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ