赤い花~情欲の檻の中で~
第3章 MemoriesⅡ
そして、その頃、祥吾はその浮気相手の女子大生と逢うために、美華子との約束をすっぽかすことがあった。そんなときには、彼は決まって下手な言い訳しながらネクタイを引っ張っていた。
もっとも、あれが浮気と呼べたのかどうか、今となっては美華子には判らない。何しろ、今の自分に対する彼の仕打ちを見れば、まさに美華子との関係も〝遊び〟の域を出ないものだからだ。遊びというのは、結局、浮気だろう。その女子大生だけでなく、恐らく、そういった男女の事には疎い自分が気づかなかっただけで、祥吾はこの三年、自分以外にも何人かの女と関係を持ったに違いない。
もっとも、あれが浮気と呼べたのかどうか、今となっては美華子には判らない。何しろ、今の自分に対する彼の仕打ちを見れば、まさに美華子との関係も〝遊び〟の域を出ないものだからだ。遊びというのは、結局、浮気だろう。その女子大生だけでなく、恐らく、そういった男女の事には疎い自分が気づかなかっただけで、祥吾はこの三年、自分以外にも何人かの女と関係を持ったに違いない。