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海蛍

第4章 再会

“大丈夫”

この言葉を朝からずっと念じ、今兄貴の家の玄関前に立つ。



どうか兄貴が出ますように・・!


そう願いながら少し震えつつインターホンを押す。


「はぁ~い!」

と中から聞こえて来た声は、2年ぶりに聞く蛍の声だった。


少し甲高く、可愛らしく女性らしい心地良い蛍の声は2年経っても健在で

何とも言えない気持ちが一気に俺に押し寄せてくる。


その感情に負けそうになり俺は来た道を引き返そうとした瞬間


目の前のドアが開き、中から出てきたのは

俺が昔1番逢いたくて、今1番逢いたくなかった人



蛍だった。

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