
許嫁から始まる恋
第2章 EPISODD #2
「小春が鮫島先生に校内案内を
するから私、保健室で食べてたら
いきなり扉が開いて、冬馬くんと
鮫島先生が小春を抱えて現れるから
吃驚しちゃった」
兎は椅子に座って淡々と話す。
「じゃあ、二人が私を助けたって事?」
私は鮫島 遙と冬馬を見る。
だが鮫島 遙は私と目が合うなり、
また目を反らす。
さっきもそうだ。
私と目を合わそうとしない。
理由(ワケ)を問い詰めたいが、
タイミングよく、冬馬が口を開く。
「俺は途中で先生が小春を
抱えている姿で会ったからな。」
そう言うと、冬馬は鮫島 遙を見る。
鮫島 遙は冬馬の視線に気付いて、
頭を下げる。
「東雲さんが、目を覚ましたので
俺は行きますね?副担任の原先生にも
報告したいので」
鮫島 遙はそう言い残し、保健室のベッド
についている仕切りのカーテンを開けて
保健室を出ていく。
