恋の居場所
第27章 届ける思い
お墓の奥にある木々の間で向かい合う
「で、話って何?」
「あ..あの女性と付き合ってるの?」
何でこんな事言ってしまったの...
何ヶ月ぶりだしあの別れ方だし緊張する
「付き合ってはない」
その答えで内心ホッとする
だけどおっさんはずっと他人を見ているような目をしてる..
あたしは確かに他人だしどうでもいいと思うけど目線が辛いよ..
「それだけ言いに来たならもう行くわ」
あたしから目を離し墓の方へ歩いていってしまう
このままじゃ本当に終わっちゃう
そんなのだめ
あたしはとっさにおっさんを後ろから抱きしめた
「これ何?..」
「..行かないで..あたしの傍に居てよ...」
言いたい事がありすぎて上手く言い出せない
「何言って...
「あなたが好きなの...」
こんな言い方しかできない
だけどこれが真っ直ぐな気持ち..
"おねがい"
「俺は好きになれない」