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それでも、私は生きてきた

第23章 唐突な退院

力不足でゴメン。

と、悲しそうにケースワーカーさんは
頭を下げた。

ケースワーカーさんと看護師に
見送られながら
病院を出た。


荷物を抱えたまま徘徊する訳にも
いかない…。

とりあえず、
燃え跡の家に向かった。
荷物を影に置いて
隣の仲良くしていたオバちゃんの所へ。

ガラス越しに覗くと、
昼寝をしている様子…
ガラガラガラ…
と開けて、
オバちゃん…
と、声をかけた。

即、返答があった。


ユリちゃんはウチに入れないで!!!


あぁ…
やっぱり皆、
私が放火犯として見てる。

悲しくて悔しくて
涙が出そうになった。

ごめんなさい。

その一言しか言葉に出なかった。

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