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それでも、私は生きてきた

第44章 釈放と再会の刻

留置所から出て、

迎えが来るまで待合室に。と、
誘導される。

出迎えてくれたのは、
逮捕時に同行していた年配の刑事さんだった。


ユリ。久しぶりだな。担当の渡辺が付き添い予定だったんだけど、別件に行ってるよ。よろしく伝えてくれと言ってたぞ。

年配の刑事、須藤さんは、
荒々しい口振りもある人で
正直、苦手だった。


実家、帰るんだろ?
渡辺が酷く心配してたけどな。
ちゃんと帰れよ。
コッチに居たって、お前、
また水商売しか無いんだろ?


まるで
父親のように、
なだめるような言葉を並べて
須藤さんは話続けていた。




母ちゃんとは、仲悪いんだったな。
本当に、実親なのか?
お前は父ちゃんの連れ子とか…
そうゆう関係では無いのか?


………え?



なぜ、須藤さんが
親子関係を疑うのかわからなかった。
事情聴取の際に、
家族構成なども答えてある。





長年刑事やっとるとな。
色んな犯罪者に会うし、色んな親子関係に会うだろ。
殺人だろうが、シャブだろうが、
親は犯罪者の子供をかばうよ。
お前の母ちゃんは、
2度と刑務所から出さないでくれ。って、
聴取記録にあったから不思議に思ってたんだよ。
俺も渡辺も。




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