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それでも、私は生きてきた

第48章 母と過ごした一夜

携帯ショップの用事を済ませ、
小田さんの自宅へ戻る頃には
外は暗く
夜7時を過ぎていた。


そろそろ出発しようか?


地元に戻る頃には、
深夜になるだろう。



下着とか必要でしょう?
別室で、
奥さんと二人で
ガサゴソと荷物を漁りながら
必要最低限の着替えなどを支度した。


一泊したら戻ってくるでしょ?
と問われ、
薄暗い部屋の中で
私は、
笑顔で頷いた。





諦めた。
地元にも、実家にも、
私の居場所は無い。

この先、
この体で
転々と土地を渡り歩くには
荷が重かった。


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