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それでも、私は生きてきた

第77章 彼のスタート

私が新しいスタート準備をしていると
同時進行に、
彼は新しい仕事を始めていた。

彼にとっても、
新しい一歩なのだろう。
と、否定はしなかった。



でも。

私自身が
風俗の世界で失ったモノ。
風俗の世界の闇を知った事。

掻き消すことが出来なかった。


彼にとっては、

風俗店を成功させる事が今の目標。


私にとっては、

自分の体と心を安定させる事が今の目標。



彼を応援すべき立場だとわかりながらも

キラキラと目を輝かせながら、
仕事の話をする彼に対し

笑顔を返す事が出来ずにいた。








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