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それでも、私は生きてきた

第84章 もう一度…

階段を登りながら
息を切らし苦しくなるものの
立ち止まってしまったら、
その先を登れなくなってしまいそうな
何かわからない不安に襲われていた。

階段を登りきると、
見覚えのある景色が広がる。

いつ来ても、
咲き誇る花が添えられ
子供向けのドリンクやお菓子が
至る所にお供えされている。

古びたベンチに座り、
持ってきたお菓子とドリンクを取り出す。

男の子か女の子かも知らない…

でも。

愛し続ける事に変わりはない。

お供えをして
手を合わせると

ボロボロと涙が溢れ落ちていく。


不思議と
悲しみは感じない。

やっと会いに来れた…

涙が溢れる中、

グラグラと視界がグラついた。

暑さのせいで目眩がしたのか…

ベンチに戻り、座るものの
グラグラと視界の揺れが止まらなかった。

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