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それでも、私は生きてきた

第85章 葛藤

苦しみが何度も押し寄せては引く
波のようだった。

赤ちゃんに会いに行った数週間後、

7月の真夏日。

母の姿を見かける機会があった。


施設のイベントに参加した時。


笑顔を溢れさせた母の姿。


母は、
幸せを手にしたのだろうか。

実家の状況などは、
何もわからない。

最後に聞いたときは

仮面夫婦どころか、
家庭内別居のような話。

例え
どんな環境だとしても
それぞれが傷つけ合っている家庭だとしても


私は
もうそこには居ない、戻れない。


父。母。姉。
3人の家庭だ。

家庭に戻れば
どんな表情で暮らしているのかも
わからない。

けれど



そこで

笑顔の母には
嘘偽りなく

溢れるほどの笑顔の母を
見かけた事は

とても嬉しい。
と感じる事ができた。








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